家族の介護

在宅介護と施設入所どちらを選ぶ?現役ケアマネが判断基準を正直に解説

yasasiikaigoblog

こんにちは、大貴です。
介護歴12年、転職5回のケアマネジャーです。

「在宅介護を続けるべきか、施設に入ってもらうべきか……」

介護をしている家族の中で、一番悩む問題がこれです。
わたしもケアマネとして、この相談を何十回も受けてきました。

正直に言います。

👉 どちらが正解というものはありません。でも、判断のポイントは明確にあります。

この記事では、在宅介護と施設入所それぞれのメリット・デメリット、そして「そろそろ施設を考えるサイン」をケアマネ目線でお伝えします。

  • 在宅介護をいつまで続ければいいかわからない
  • 施設に入れることへの罪悪感がある
  • どんな施設があるのかよくわからない

そんな方の参考になれば嬉しいです。


まず大事なことをひとつ

「施設に入れる=見捨てた」ではありません。

介護はマラソンです。家族が倒れてしまったら、介護を続けることができなくなります。
本人のためにも家族のためにも、持続可能な介護を選ぶことが大切です。

ケアマネとして現場を見てきて、「もっと早く施設を選んでいれば、こんなに追い詰められなかった」という家族をたくさん見てきました。
施設を選ぶことは、愛情のある判断です。


在宅介護のメリット・デメリット

メリット

  • 本人が慣れた環境で生活できる:住み慣れた家・地域にいることで、認知症の進行が緩やかになることがある
  • 家族との時間を取りやすい:日常の中でさりげなく関われる
  • 費用を抑えられるケースがある:介護保険サービスの範囲内であれば、施設より安くなることも
  • 本人の意思を尊重しやすい:「家にいたい」という希望をかなえられる

デメリット

  • 家族の負担が大きい:特に夜間の介護、緊急対応は在宅だと家族が担うことになる
  • 介護者が孤立しやすい:相談できる人がいないまま抱え込んでしまうケースが多い
  • 医療ニーズが高まると対応が難しくなる:点滴・吸引・胃ろうなど医療行為が必要になると、在宅継続が困難になることがある

施設入所のメリット・デメリット

メリット

  • 24時間専門スタッフがいる:夜間の対応、医療ケアも含めてプロが対応してくれる
  • 家族の負担が大幅に減る:「今日は何があるか」という心配から解放される
  • 同年代の人と交流できる:引きこもりがちな方が、施設での社会生活で活気が出ることも
  • 安全管理が充実している:転倒・誤嚥・徘徊などのリスクに対して、在宅より対応しやすい環境

デメリット

  • 費用がかかる:特養は比較的安価だが、有料老人ホームは月15〜30万円以上になることも
  • 希望の施設にすぐ入れないことがある:特養は待機期間が長いケースが多い
  • 環境の変化による混乱:特に認知症の方は、環境が変わることで一時的に症状が悪化することがある
  • 本人が拒否するケースがある:「施設には行きたくない」という気持ちへの対応が必要

主な施設の種類と特徴

施設名 対象 費用目安(月) 特徴
特別養護老人ホーム(特養) 要介護3以上 6〜13万円程度 公的施設で費用が安い。ただし待機期間が長い
介護老人保健施設(老健) 要介護1以上 8〜14万円程度 在宅復帰を目指すリハビリ施設。3〜6ヶ月の利用が目安
グループホーム 認知症・要支援2以上 10〜18万円程度 認知症専門。少人数で家庭的な雰囲気
住宅型有料老人ホーム 自立〜要介護 10〜30万円程度 介護サービスは外部から。比較的自由度が高い
介護付き有料老人ホーム 要介護〜 15〜35万円程度 24時間介護スタッフ常駐。手厚いが費用が高め

費用や条件は施設によって大きく異なります。必ずケアマネや地域包括支援センターに相談して、複数を比較してください。


「そろそろ施設を考えるサイン」6つ

ケアマネとして現場で見てきた、施設を検討すべきタイミングのサインです。

  • ① 夜間の介護が頻繁になってきた:夜中に何度も起こされる状況が続くと、介護者が体を壊します
  • ② 介護者が「限界」と感じている:自分の疲労・ストレスを感じたら、それは限界のサインです。早めに動いてください
  • ③ 転倒・骨折・誤嚥などのリスクが高まった:在宅での安全管理が難しくなってきたとき
  • ④ 医療ニーズが在宅では対応しきれない:点滴・吸引・褥瘡処置など、看護師常駐の施設が必要なとき
  • ⑤ 認知症の周辺症状(徘徊・暴言など)が激しくなった:在宅での安全確保が困難になってきたとき
  • ⑥ 介護者が仕事・家庭との両立に限界を感じている:仕事を辞めざるをえない状況は、長期的に見ると家族全体のリスクになります

「まだ大丈夫」と思っているうちに手を打つことが大切です。
特養などの待機期間を考えると、動き始めるのは早ければ早いほど良いです。


在宅と施設、どちらを選ぶかの判断基準

状況 おすすめの方向性
要介護1〜2・本人の在宅希望が強い・家族に余裕がある 在宅介護+サービス充実で継続
要介護3以上・夜間介護が必要・家族の負担が大きい 施設入所を本格検討
認知症が進み、徘徊・夜間不穏が多い グループホームまたは施設入所
医療ニーズが高い(吸引・胃ろうなど) 看護師常駐の施設または老健
介護者が体調を崩している・限界に近い ショートステイ活用+施設入所を急いで検討

在宅でできることを最大限使ってから決める

「施設を考えている」と思ったときも、まず在宅でできることを最大限活用してから判断することをおすすめします。

たとえば👇

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護を使うと、夜間対応や頻回訪問で在宅継続できるケースがある
  • ショートステイを定期的に使って、家族の休息時間を確保する
  • ケアマネに「もう限界かも」と正直に伝えると、在宅継続のための手を一緒に考えてくれる

在宅か施設かは「0か1か」の二択ではなく、在宅サービスを重ねながら施設への移行を段階的に準備することもできます。


まとめ

  • 在宅介護は本人の意思・環境を尊重できるが、家族負担が大きい
  • 施設入所は安全・専門ケアが整うが、費用と待機期間が課題
  • 「施設に入れる=見捨てた」ではない。持続可能な介護を選ぶことが大切
  • 施設を考えるサインが出たら、早めに動く(特養は申込から入所まで時間がかかる)
  • 迷ったらまずケアマネに相談を

どちらを選ぶにせよ、大切なのは「家族みんなが介護を続けられる選択をすること」です。
ひとりで悩まず、ケアマネや地域包括支援センターに気軽に相談してみてください!

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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ABOUT ME
大貴
大貴
30代3児の父親|介護福祉士|介護支援専門員(ケアマネジャー)|福祉住環境コーディネーター2級|介護職経験12年|転職経験5回|一時期は介護を離れていたが「やはり自分の天職は介護だ!」との考えに至り、現在は定期巡回ステーションで計画作成責任者として勤務中|自身の経験を活かし、介護に関わる方たちの不安や悩みを少しでも解決できるよう情報を発信しています。
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