家族の介護

訪問介護とは?現役ケアマネが定期巡回との違いをわかりやすく解説

yasasiikaigoblog

こんにちは、大貴です。
介護歴12年、転職5回のケアマネジャーです。

「訪問介護ってどんなサービス?」「ヘルパーさんに来てもらうってどういうこと?」と気になっている方、多いと思います。

この記事では、訪問介護の基本をわかりやすく解説します。
さらに私が実際に働いていた「定期巡回・随時対応型訪問介護看護(定期巡回)」との違いも、現場経験をもとにご紹介します。

後半には、定期巡回で本当にあった笑えるエピソードも入れています。ぜひ最後まで読んでみてください(笑)


訪問介護とは?

訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅に来て、生活のサポートをしてくれるサービスです。

介護保険を使って利用できるので、自己負担は原則1〜3割。「できるだけ自宅で生活したい」という方の強い味方です。

サービス内容は大きく3種類に分かれます。

① 身体介護

体に直接触れて行うサポートです。

  • 入浴介助・清拭(身体を拭く)
  • 排泄介助・おむつ交換
  • 食事介助
  • 着替え・移動の介助
  • 服薬の見守り

② 生活援助

家事などの生活面のサポートです。

  • 料理・食事の準備
  • 掃除・洗濯・買い物
  • ゴミ出し

ただし、生活援助には「本人のための」という条件があります。
たとえば「家族全員分の料理」「同居の子どもの部屋の掃除」などは対象外です。これは後で詳しく説明します。

③ 通院等乗降介助

病院などへの移動をサポートします。

  • 車への乗り降りの介助
  • 受診の付き添い

訪問介護でできないことは?

訪問介護にはルールがあって、介護保険の範囲外のことはお断りしなければいけません。

「えっ、こんなことも頼めないの?」と驚かれることも多いので、あらかじめ知っておくと安心です。

できること できないこと
本人の食事の準備 家族全員分の料理
本人の部屋の掃除 庭の草むしり・窓ふき
本人の洗濯物 家族の洗濯物も一緒に
通院付き添い 買い物のついでに銀行に寄る
服薬の見守り ペットの世話

👉 「できないこと」の多さに最初は戸惑う方もいます。でも理由があります。ヘルパーは「その方の自立を支援する」のが目的だからです。


定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは?

私が実際に働いていたのが、この「定期巡回」です。

正式名称が長くてわかりにくいので、ざっくり説明すると——

「1日に何度も短時間で来てくれる、24時間対応の訪問介護」です。

通常の訪問介護は「週3回・1回1時間」のように決まった時間だけ来ます。
でも定期巡回は、朝の起床介助・昼の服薬確認・夜の就寝介助…と、1日に複数回、短く来ることができます。

さらに、夜中でも「ちょっと様子がおかしい」と思ったら電話一本でヘルパーが来てくれる随時対応もあります。

訪問介護と定期巡回の違い

訪問介護 定期巡回
訪問回数 週数回(決まった回数) 1日複数回も可能
1回の時間 30分〜1時間程度 5〜15分の短時間が基本
夜間対応 基本なし あり(随時対応)
費用のしくみ 利用した分だけ 月額定額制
看護連携 なし あり(訪問看護と連携)

定期巡回の最大の特徴は「月額定額制」です。
何回来ても料金が変わらない。これが利用者さんにとっては便利な反面……現場ではちょっと大変なこともありました(笑)


【実体験】定期巡回で本当にあった話

ここからは、私が定期巡回のステーションで働いていたときの実話です。
介護の現場ってこんな感じなんだな、と知ってもらえたら嬉しいです。

① 「使い放題」と思われてしまう問題

定期巡回は月額定額制なので、「何回来ても同じ料金」です。

そうなると……「何度でも呼んでいいんでしょ?」となる方が出てきます(笑)

朝来て、昼来て、夕方来て、夜来て——それだけならまだしも、

  • 「さっき来たばかりだけど、もう一度来て」(1時間後)
  • 「テレビのリモコンが見つからない、探しに来て」
  • 「ちょっと話し相手になってほしい」

気持ちはわかります。一人でいると不安ですし、誰かに来てほしいと思うのは自然なことです。

でも定期巡回は、訪問看護や介護のサービスとセットで動いていて、他にも利用者さんがいます。「1件に何度も行くと、他の方への対応が遅れてしまう」という問題が出てくるんですね。

サブスクって便利ですよね。でもヘルパーは動画配信サービスじゃないので……(笑)
ケアマネとして、利用者さんや家族にどう説明するか、本当に頭を悩ませました。

② 「ペットの世話」「庭の掃除」を頼まれる問題

介護保険のサービスは、先ほど書いたように「本人の生活を支援すること」が目的です。
だから、ペットの世話や庭の草むしりは対象外

でも現場では「ついでにちょっとだけ」という感じで頼まれることが多くて……。

  • 「猫のご飯をあげておいてくれない?」
  • 「庭の花に水をあげてほしい」
  • 「ちょっと草が伸びてきてるから、抜いてもらえる?」

頼む方は悪気がないんです。「助けてほしい」という気持ちから来ているので。

でも、ここで「いいですよ」とやってしまうと、それがどんどん当たり前になってしまいます。
断るのも一苦労でした。「できないルールになっているんです」と伝えるたびに、申し訳ない気持ちになるんですよね。

👉 こういうとき、ケアマネに相談してください。訪問介護以外の選択肢(シルバー人材センターや自費サービスなど)を提案できます。

③ 「家に不審者がいる!」で呼ばれた事件

これが一番笑えた(?)エピソードです。

夜中に随時対応の電話がかかってきました。

「家の中に不審者がいる!早く来て!」

……急いで駆けつけました。ドキドキしながら家に入ると——

そこには、利用者のおじいちゃんがソワソワしながら「あそこに変な人がいる」と指さしていて。

見てみると……窓に映った自分の姿でした。

認知症の症状として、鏡や窓に映った自分を「知らない人」と認識してしまうことがあります。
これは医学的にもよくあることで、「鏡像誤認」と呼ばれています。

でもそのとき正直に思いましたよ。

「私はセコムじゃないんだから!(笑)」

もちろん笑える状況じゃないですし、本人は本気で怖かったと思います。でも今となっては、現場の思い出として語れるエピソードです。

こういう「夜中の緊急対応」ができるのが、定期巡回の大きな強みです。通常の訪問介護では夜中に来てもらうことはできませんから。


訪問介護と定期巡回、どちらが向いている?

どちらが良い・悪いということはありません。状況によって選ぶのが大事です。

訪問介護が向いている方

  • 週に数回、まとまった時間のサポートが必要な方
  • 料理や掃除など、生活援助メインで使いたい方
  • 夜間の対応は今のところ必要ない方
  • 比較的元気で、介護の必要度が低い方

定期巡回が向いている方

  • 一人暮らしで、夜間も心配な方
  • 1日に何度かちょこちょことサポートが必要な方
  • 急変リスクがある方(看護連携ができる)
  • 「施設には行きたくないけど、自宅でしっかり支援を受けたい」方

👉 どちらが合うか迷ったら、担当のケアマネジャーに相談するのが一番です。利用者さんの状態に合わせて、最適な組み合わせを提案してもらえます。


利用するにはどうすれば?

訪問介護も定期巡回も、介護保険の認定を受けていることが前提です。

まだ要介護認定を受けていない方は、まず市区町村の窓口か地域包括支援センターに相談してみてください。

認定を受けたら、ケアマネジャーがケアプランを作って、サービスの調整をしてくれます。

  • 要支援1〜2 → 訪問介護(介護予防訪問介護)が利用可能
  • 要介護1〜5 → 訪問介護・定期巡回ともに利用可能

📝 関連記事:要介護認定の基準とは?ケアマネが「審査で見られるポイント」を解説


まとめ

  • 訪問介護は「ヘルパーが自宅に来て生活をサポートするサービス」
  • 身体介護・生活援助・通院介助の3種類がある
  • ペットの世話や庭仕事など、介護保険の範囲外のことは頼めない
  • 定期巡回は「1日複数回・24時間対応・月額定額」の訪問型サービス
  • どちらが向くかは状態によって違う。ケアマネに相談を

介護サービスって種類が多くて、最初は何が何だかわからないですよね。
でも「こういうサービスがあるんだ」と知っておくだけで、いざというときに動きやすくなります。

この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。


📝 関連記事:定期巡回とは?普通の訪問介護と何が違うの?現役ケアマネが解説

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ABOUT ME
大貴
大貴
30代3児の父親|介護福祉士|介護支援専門員(ケアマネジャー)|福祉住環境コーディネーター2級|介護職経験12年|転職経験5回|一時期は介護を離れていたが「やはり自分の天職は介護だ!」との考えに至り、現在は定期巡回ステーションで計画作成責任者として勤務中|自身の経験を活かし、介護に関わる方たちの不安や悩みを少しでも解決できるよう情報を発信しています。
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