介護職はブラック？介護歴12年が伝える現場のリアル

「介護はブラックだから辞めたほうがいいよ」

介護業界へ転職を考えると周りからそんなことを言われがちです。

やれ給料が安いだの人間関係がキツイだの不規則勤務で体調を崩すだの…

ネットの匿名掲示板などでは、底辺職の代表格なんて書かれていることも少なくありません。

見渡す限りネガティブな意見で溢れかえっています（匿名掲示板の性質上仕方ないかもしれませんが）

実際のところどうでしょうか？

この記事では、私が以前勤めていた施設での様子をお伝えしていこうと思います。

私自身はその施設で何だかんだ楽しく働いていました。

違う職種にチャレンジしてみたい気持ちがあり退職してしまいましたが、その時の経験は今でもいい思い出です。

何をブラックと感じるかは個人の価値観によるので、読んだ皆さんで判断して頂きたいです。

でもあくまで私が経験した施設だけでの話なので、参考の一つとして気楽に読んでくださいね。

まずは給料から！低賃金てホント？

給料は正直低かったです。

高卒ですぐに働き出したので、低いのはある程度仕方がないと思いますが

初任給は額面で15万ちょっと、手取りでは12万ちょっと…

正社員にも関わらず、フルタイムのパートと大差ない金額に正直ショックでした。

でもこれは、あくまで高卒一年目の初任給（資格手当なし、夜勤手当なし）

夜勤もこなせる様になり、経験を積み重ねて行けば着実に給料は上がって行きます。

私が勤めていた施設では、毎年きちんと昇給がありボーナスも年4ヶ月分しっかりでました。

資格も取ればその分の手当もでます。

その施設では約７年働きましたが、最後の年の給与は額面で約22万、手取りで約18万ほど。

年収約330万（当時25歳）ぐらいでした。

ちなみに25歳の平均年収は362万円（高卒だけでの平均は328万円）です。（厚生労働省：令和4年賃金構造基本計画表より）

仕事内容はやっぱり体力勝負。

介護業界は人員不足が慢性化しているので、とにかく忙しいです。

人員基準ギリギリで運営している施設はザラにあり、私が働いている施設でも常に人手は足りない状態でした。

ギリギリの人数でどうにか業務を回している状態のため、パートさんが休んでしまった日などは戦争状態です笑

休む暇もなく食事介助、排泄介助、入浴介助等々…

その合間に利用者様の様々な訴えや行動にも対応しなくてはなりません。

転倒リスクの高い方が落ち着きなく歩き回ってしまったり、５分に１回トイレに行きたいと仰る方がいたり、何度も大声を出す方がいたり、利用者様同士で喧嘩が起こったり…

転倒等の事故が発生してしまったら、事故の対応はもちろんですが、報告書を提出しなければいけません。

そして事故報告書の他にも書類仕事って意外と多くあります。

毎日の記録作業、アセスメントシート、行事計画書、家族へのお手紙作成、その他色々…

でも書類なんて書いてる時間が全くないので、やむを得ず休憩時間に書いたり残業したり。

日によりますが、利用者様一人ひとりと向き合う時間などあったもんじゃありません。

目の前の業務をこなすのに精一杯で仕事終わりにはクタクタになってしまいます。

人員さえ確保されていればそこまでの忙しさは感じないかも知れませんが、現実は厳しいです。

そんな通常業務のハードさに加え、正社員で働く場合デイサービス等一部の事業所を除き、ほとんどが夜勤ありの交替勤務です。

どうしても不規則な生活となってしまうため、体調を崩してしまう方も少なくありません。

でも、「慣れてしまえばどうってことない！」と豪語するつわ者も多いです笑

私の施設にも、そんなパワフルな方達が何名もいて、いつも助けられてました。

皆さん40代以上でしたが、私の数倍元気です笑

人間関係のトラブルが一番多いかも…

最後は人間関係についてです。

どの業界でも人間関係のトラブルはあるとおもいますが、介護業界は他の業界より人間関係で揉めがちとネット等で言われていますよね。

実際、人芸関係でのトラブルは多いと感じています。

理由として、職員の気持ちに余裕がないことが一番の原因ではないかと私は思います。

上に書きましたが、仕事内容はとにかくハードで忙しく、不規則勤務で体調も崩しがち。

それなのに給料は安い…

これでは他人に対し優しい気持ちなんて持てませんよね笑

また、業務内容に明確なマニュアルがあるわけではないので、いかに状況を把握して気がついて動けるかが重要になります。

これが出来ないと、「こっちの利用者さんから対応すべきなのに順序がおかしい！」

「なんでこの状況でそんなことしてるんだ！」「あの人は大変は時でも自分のことばかりで助けに来てくれない！」

なんて色々うるさく言われてしまいます。

そして揉める…笑

そして人が辞めていき、ますます忙しくなり、ますますイライラする笑

こんな負のスパイラルに陥っている施設は、周りの介護職仲間に聞いてもかなり多いです。

まとめ

ここまでの内容を簡単にまとめてみると

こんな感じになります。

あくまで私の体験、考えで書かせて頂きましたが、皆さんはどのように感じましたか？

「やっぱりブラックだ！」と感じた方が多いかもしれないですね笑

でも就職する施設によっては、全く状況が違う場合もあります。

多くはないですが、職員が皆いきいきと働いている施設も存在しています。

そこで働く人がこの記事を読んだら「え！そんなとこもあるんだ…」

なんて驚いてしまうかも知れません笑

介護職を志している方、転職を考えている方達皆さんが、そんな素敵施設と出会えることを祈っています。

最後までご覧頂きありがとうございました！

うしくぼ

30代2児の父親｜介護福祉士｜福祉住環境コーディネーター2級｜介護職経験12年｜転職経験5回｜一時期は介護を離れていたが「やはり自分の天職は介護だ！」との考えに至り、現在は生活相談員として特養に勤務中｜自身の経験を活かし、介護に関わる方たちの不安や悩みを少しでも解決できるよう情報を発信しています。